陥入爪治療記:その2の3〜第二次大戦(3)

治療は…

今回の治療も、第一次大戦と基本的には同じである。薬浴、消毒、薬剤塗布、ラッピングである。しかし、陥入爪という症状がはっきりしているから、S院長は何とか手術をしたがっているようだ。しかし、すでに炎症を起こしている部位の手術では、入院を要するという。通院はともかく入院はしたくなかった私は、炎症を抑えてから手術するかどうか決めさせてもらうことにした。何となく、その病院での手術に気が進まなかったのも事実である。

突然のプチ手術!

何度か通院した。が、ある日のことである。S院長は、状況が改善しないのにしびれを切らしてか、看護師さんに

「ヲイ!ハサミ!」

と命じた。へ?ハサミ?

「それじゃないよ。もっと細いの!」

は~細いハサミですか。なんに使うの?

「ちょっと足出して。」
「はい。」

このとき、S院長はハサミを爪の下に突っ込んだ。

「ひ~」
「痛いでしょ?でも説明すると嫌がるからね。」

インフォームドコンセントとかはまったく関係ないようである。説明すると、肉芽の出ている側の爪を、ハサミを突っ込んで切り落としたのだ。ちょうど、2, 3ミリくらい。

「ははは、脂汗出てるよ。」

そりゃ出るだろ!そこの看護師、しかも3人も、何を笑ってるか。自業自得とはいえ、ひ~。

しかも、切れ方が足りないと、一回は抜いたハサミをまた差し込んでいる。もういい加減にして下さい。という前に、プチ手術は完了した。なぜ手術かというと、診療明細に「手術料」が記載されていたからである。患部を消毒し、軟膏を塗り、ガーゼを当て、包帯でぐるぐる巻きに。ハサミを突っ込まれた傷口は、じんじんと痛む。しかし、これが功をなすのである。

なんと快方に!

S院長のプチ手術が効いてか、不良肉芽は引っ込んでいき、腫れも収まってきた。

「あ~良くなってきたね。でも、思ったほどじゃないな」

そのS院長の言葉にやな予感のした私は、何かを聞こうとした。が、S院長は、すでにハサミを持っていた。

「こっちもちょっと切っとこ。」

という間もなく、ハサミが突っ込まれる。

「ひ~」

なんと、今回は看護師の一人が覗き込んでいる。

「痛いですか?」

痛いに決まってるだろ!興味本位だけで見るんじゃない!というか後学のためか?

あ~また切られてしまった。S院長曰く

「今回はサービス(はあと)。」

確かに、診療明細には手術料の名目はなかった。だがこれで、確実に患部は治癒に向かうのである。多少荒っぽいとは思うが、今回はこれで正解だったのである。炎症が治まり、今度兆候が見えたらすぐに来て下さい、とのお言葉をいただく。要するに手術しましょう、ということなのだが、さっきも書いたがなぜか気が進まないのである。今回あたりから、治療法に関する情報をインターネットなどで集めるようになった。

とにかく、ありがとうS院長(愛車のメルセデスC200 Konpresserにも)。

陥入爪治療記:その2の2〜第二次大戦(2)

陥入爪治療記

陥入爪治療記:その3の1〜第三次(惨事?)大戦(1)

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