陥入爪治療記:その2の2〜第二次大戦(2)

出血サービス!

5月最後の土曜日は、爪の脇から血が滲んでいた。そこにバンドエイド(R)を貼り、ごまかす。やな感じだ。寝る前には脱脂綿を押しつけて、さらにバンドエイドを貼る。これで大丈夫だろうか?これくらいの出血量なら大丈夫かな?と言い聞かせて寝る。

次の日は日曜日である。朝方、妻が起き出して私の足をじっと見ている。

「どうしたの?これ?」
「あ、ちょっと出血しちゃってさ~」
「ちょっとじゃないでしょ!」

慌てて飛び起きると、足下は血の海である。布団は当たり前、障子の桟にまで飛び散っている。ちょっとしたスプラッタである。どうやら、夜中に大量出血し、それに気付かなかったようだ。とりあえず、血だらけの足を洗うことに(シーツカバーなんかは、はがしておくのはもちろんだ)。

風呂場で洗い始めるのだが、どうやら出血は収まっていなかったようだ。洗い流す側からにじみ出してくる。しようがないのでそのまま風呂場を出て、出血部分をガーゼで押さえて止血することにした。この間、約3時間。まさに出血大サービスである。3時間チューリップ開きっぱなし、という感じか。

「ようやく止まったか~」

とりあえず止血できたようなので、行動を開始する。子供が、高いところにあるものを取ってくれという。よっしゃ、取ろうね。依頼ごとを片づけ、椅子から降りる。ん?足指に

「ぷちっ」

とかいう感覚。まずい。下を見る。止まっていたはずの血は、また流出を再開した…orz。

もう、ダメだろう。家族の勧めで、以前世話になったS医院に電話を入れる。救急で受け付けてくれるとのこと(毎度毎度すいません)。かなり大判のバンドエイドで足指をくるみ、S医院へ向かう。インターフォンで用件を告げると、今回は川島なお美には似ていない看護師さんが案内してくれる。そこには女医さんはおらずに、さえない感じの(失礼)30代とおぼしき男性の医者が。

「とりあえず、見てみましょう。」

血を拭き取り、爪の脇を開いたり閉じたりしている。

「あ~陥入爪ですね。」

このときほどはっきりした病名を聞いたことはない。

「爪が食い込んでね、毛細血管を傷つけて、出血してるんです。」
「本来は、こんなに出血しないんですけどね、炎症を起こして不良肉芽が出てるから、血管も集まっているのでひどいことになってるんです。」

さえないなんて言ってすいません。炎症を起こしたのは私のせいです。的確に症状を指摘して、血止めをしてくれる。あくまでも応急処置で、きちんとした治療はまた明日ということで、かなり厚めのガーゼと油紙、包帯ぐるぐる巻きで帰される。今回は痛みはないので、とりあえずそのままである。

陥入爪治療記:その2の1〜第二次大戦(1)

陥入爪治療記

陥入爪治療記:その2の3〜第二次大戦(3)

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